2022/04/23

GAE/Java8でSPA対応に苦戦

GAEの第1世代VMであるJava8とGoで動かしているアプリを、Single Page Application(以下 略称のSPAを使用します)に一部作り直そうと検討しているのですが、意外と苦戦しています。


問題

SPAでは、複数のパスを実際には1つのHTML/JavaScriptで表示します。例として、以下のパスの3ページを用意したとします。

/         ←3つとも/index/htmlが対応

/aaa    ←〃

/bbb    ←

見た目には3ページでも、実際にはJavaScriptでリクエストされたパスを見て表示内容を切り替えているだけで、コンテンツとしてはこれら3ページを1つのHTML/JavaScriptが表示します。


で、これらのページをいつものようにGAEの静的ファイルとしてホストしようと思っていました。しかしGAEの静的ファイルは基本的に1パス=1ファイルに対応します。つまり"/"に対応するHTML/JavaScriptで3ページすべてを表示するつくりにすると、残り2ページをリクエストしてもGAEの静的ファイルサーバが「404 Not found」を返してしまい、HTML/JavaScriptが得られません。

Java8以外だとapp.yamlの記述(参照:ハンドラ要素)で、"/aaa", "/bbb"が指定された場合でも"/"と同じコンテンツを返すことが可能です。しかしJava8では、そもそもapp.yamlが使用できません。

サーバサイドのアプリはすでに作成済みのものを使いまわすつもりなので、今更ほかの言語で書き換える気などありません。このアプリではMemcacheやSearch APIなど第1世代VMでしか提供されない機能を利用していますので、使えるのは第1世代VMに縛られます。


解決案

いろいろ調査・検討してみました。ここから先はアイデアだけで試したわけではありません。


A案. Firebase Hostingへの一部移行

静的ファイルのホストをFirebase Hostingに変えます。複数パスが1つのHTML/JavaScriptに対応する問題は、firebase.jsonのリライト設定(参照:リライトを構成する)で解決できそうです。

Firebase Hostingは独自ドメインにも対応しています。GAEで実装したAPIはFirebase Hostingとは別ドメインになりますので、Cross Origin Resource Sharing(以下CORS)ポリシーに触れますが、どちらも自前で実装するので適切にレスポンスを返すだけです。


しかし実際のアプリには前記の3つのパス以外に、SPAに入らない全く独立したページも存在します。以下のような感じです。

/         ←3つとも/index/htmlが対応

/aaa    ←

/bbb    ←

/ccc/xxx    ←独立した動的ページ

この独立ページ"/ccc/xxx"は静的ファイルではありませんので、Firebase Hostingで対応できません。現状は静的ファイルと一緒にGAEで対応していますが、Firebase HostingとGAEでドメインが異なるのは問題です。アドレスはエンドユーザにも見えますので、同じアプリの一部であること、あやしいページに遷移したわけではないことがエンドユーザにもわかるように同じドメインへの配置が必要です。


B案. 動的ページは空コンテンツを用意

前記の独立した動的ページ"/ccc"にはhtml/body要素のみの空ページを用意しておき、"/xxx"の部分は前記のリライトで"/ccc"に置き換えます。中身はajaxで"/xxx"を判断して埋めます。

これならエンドユーザに見えるドメインはすべて同じにできます。ajaxのリスエストエンドポイントはGAEなので別ドメインですが、エンドユーザには見えないので問題にならないはずです。

ただしこのページは他のページとデザインなども異なるので、「空ページを埋める」でどこまで対応できるのか不安が残ります。


C案. API Gatewayで振り分け

一般提供になったばかり(だったと思う)API Gatewayで同じドメインの別パスとして、Firebase HostingとGAEの振り分けを追加する案です。B案の動的ページの不安も解決できる可能性があります。

しかしドキュメントを読んだだけでも以下の懸念が...

API GatewayがFirebase HostingやCloud Storageの静的コンテンツも対象に出来れば面白いと思うのですが。1つのWebアプリとして単一のドメインの中で静的コンテンツやajaxのAPIだけでなく、公開APIも対応できます。

API Gatewayのドキュメントには静的コンテンツに関する記述はなさそうです。名前のとおりWeb APIのみを対象としているのかもしれません。


(2022/4/25追記)

Firebase Hostingの動的コンテンツ配信の機能(参照:Firebase Hosting を使用した動的コンテンツの配信とマイクロサービスのホスティング)がGAEにも対応していれば問題ないのですが、この機能はCloud Functions for FirebaseとCloud Runにしか対応していません。

仮にアプリを書き直すにしてもCloud Functions for FirebaseはJavaScript/TypeScriptにしか対応していないようなのでパフォーマンスとランニングコストに疑問がありますし、Cloud Runでもランニングコストが課題になります。

なかなか、かゆいところに手が届いてくれないですね。

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