Oh, deja vu!
現在AIが絶賛大人気、話題の中心となっています。会話が出来て、プロンプトさえ書けば絵が描けて動画も作ってくれて。もう何でもやってくれそう... という意見さえ、あったような、なかったような。
しかし話題になり始めたころから、過剰に期待しすぎているようにしか感じない、この盛り上がりに既視感を感じていました。1980年前後のSF映画には「コンピュータ様がなんとかしてくださる」みたいなシーンが登場することがあります。それに似ているような感覚があります。
でも進化? も
以前との違いは、これまでの現実感がなくて絵空事で終わっていたAIと違って、今の生成AIはやる気になれば自分で使うことができますし、そうでなくてもチャットによるサポート(しかし期待する答えが返ってきたことは1度もない)などの形で一般の生活の中でも目にするようになっています。
私がかかわっているIT業界では、もっともAIが身近ではないかと思います。調べ物に使ったり、ドキュメントを書かせる人もいたり(私は自分で書くのでやってませんが)、コーディングでのコード補完やレビューと、私でもそれなりに使っています。
今の生成AIはバブル疑惑
しかし調べれば調べるほど、今話題の生成AIも、バブルで終わりそうな気配しか感じません。根拠は私が読んだものの一部のみ紹介、過去読んだものは探し出せなくなったものも数多くあります。
- 成果
実際にAIに関わっているプロジェクトで利益を出せたのはごくわずかでしかなく、ほとんどは利益につながっていない。少し前の調査では70%というものもありましたが、最新の調査では母数が増えたからかより厳しい数値が出ています。 - 新たな調査でも判明したAIの厳しい現実──実用化成功率はわずか5%
- 企業のAI投資は95%が失敗している、マサチューセッツ工科大学NANDAプロジェクトが明らかにした衝撃の事実。成功している5%の共通点とは?
- 生成AI自身の限界
大規模言語モデル(LLM)の学習規模を拡大することで性能を向上してきましたが、すでにこれ以上規模を拡大しても性能に変化がないところまで来ています。さらなる性能向上には別のアイデアが必要ですが、そこはまだ手探り状態。 - 巨大AIモデルの限界は近い MITが示したAIの次の方向性
- AMI – 高度な機械知能 – スケーリングの終焉:ヤン・ルカンがLLMを信じなくなった理由
- LLMが「越えられない壁」。AIの限界点が数学的に証明された
- データセンター建設への障害
将来のAI需要を満たすための新たなデータセンター建設に対して、予定地の周辺住民が反対活動に至る例も。日本でも世界でも。 - DRAM需要逼迫
データセンターの増強・新設によりHBMの需要が急増、それに伴い生産ラインHBMにシフトしたためPC・スマホ・家電・自動車など他分野製品向けDRAMの生産が減少して価格上昇。これは大方の予測どおりパニック買いと思われますが、すでに価格は3倍以上に跳ね上がっています。半導体の生産ラインを増やすのは簡単ではなく、なんやかんやで3年程度はかかります。DRAMを作っているメーカーはすでに世界で3社しかないこともあり、解決はしばらく先。このままデータセンターの増設が続けば本当に「DRAMが手に入らない」事態が現実に。その影響がまわりまわって、AIとは無関係な製品・サービスの値上がりが起きそうな予感も。
その他にも「経験の浅い技術者がAIでクソコードを量産してレビューが地獄」等など「使えない」事例や、将来性に疑問があることの根拠は、きりがないくらい出てきます。
半端なAIなら いらなくない?
巷の反応を見ていると、現在の生成AIと、まだ実現されていない汎用AI(AGI)を混同している人も少なくない気がします。現在の生成AIは、目的特化で実現されたものであって、汎用ではありません。向かないことをさせれば、ボロを出します。
現在の生成AIは、出来ることが限られていることや、ハルシネーションの影響、期待する結果に近づけるためにはユーザの努力が要求されるなど、期待させている割に性能的には中途半端と判断しています。正直、この程度ならなくてもそんなに困りません。
現在の生成AIに限ってですが、最も上手く使いこなした例はこちらのような動画ではないでしょうか(でも詩を作ったのはAIじゃなさそう)。おもちゃにするにはいいのですが、実用品として例えるならその実力は、手間・実用性などからT型フォードあたりがふさわしい気がします。
今後はおそらく、有効な使い方が判明するにつれて特定の分野・使い方で限定的に残っていくものと思われます。その結論が出始めると、バブルも終わるでしょう。