2023/10/18

CORSに対応する [Go]

背景

 HTML/JavaScript/TypeScriptのダウンロード元と Ajaxでのアクセス先が異なる場合、Cross Resource Origin Sharing(以下CORSと略)ポリシーに従う必要があります。AjaxやCORSについての詳細はいろいろなところで説明されているので、ここでは割愛します。

 Go+GinでのCORS対応の実装についてです。


前提

 使用するソフトウェアのバージョンは以下のとおりです。

  • Go : 1.20
  • Gin : 1.9.0


 また、すべてのアクセス先に対してCORSアクセスを許可する設定であるAccess-Control-Allow-Originヘッダへの"*"の設定ではなく、特定のアクセス先に対してのみ許可するものとします。


gin-contrib/cors

 最初に見つけたのが「gin-contrib/cors」です。Ginの公式なCORSのパッケージのようです。ドキュメントはこちら。スニペットを見る限り使い方も簡単で、Ginのミドルウェアとして設定するだけです。
 しかし「Canonical example」のスニペットを参考に実装してみたのですが、まったくCORSポリシーを解決できませんでした。OPTIONSリクエストに対して、レスポンスヘッダにはAccess-Control-Allow-Originヘッダが付いていません。しばらく設定を変えたりして試してみたのですが、全く解決できませんでした。

 この状況をググってみて見つかったのがStackOverflowの記事「Go gin framework CORS」です。質問者はGoの標準ライブラリのみを使用していますが、OPTIONSに続くアクセスが発生せず、期待動作しないと言っています。
 回答を見ると複数パターンあるようです。
  • Goの標準ライブラリのみで実装の修正。質問者はこれで解決したもよう。
  • gin-contrib/corsの使用を勧めるもの。これで動いたといっているのは1名のみ。
  • rs/corsを勧めるもの。
  • 独自ライブラリを勧めるもの。

 自分の使っているGo/Ginのバージョンに比べて、gin-contrib/corsの最新リリースは2022/07/05なので幾分か古く、そのためGo/Ginの更新について行っていない可能性があります。Go/Ginのバージョンダウンまでして確認するほどgin-contrib/corsにこだわることもないので、このパッケージは諦めました。

標準ライブラリでの実装

 変なライブラリを入れたくないので、結局標準ライブラリのみで実装することにしました。実際にCORSを解決できた最小限の実装が以下です。Ginのミドルウェアにしています。


func main() {
    router := gin.Default()
    router.Use(corsSetting)
    // リクエストハンドラを設定 router.GET(...) etc.
}

func corsSetting(ginctx *gin.Context) {
    // リクエスト元の確認
    requestheader := ginctx.Request.Header
    requestorigin := requestheader.Get("origin")
    if リクエストの確認 {
        // レスポンスヘッダの設定
        responseheader := ginctx.Writer.Header()
        responseheader.Set("Access-Control-Allow-Origin", requestorigin)
        responseheader.Set("Access-Control-Allow-Headers", "Content-Type")
    }
}


 OPTIONSに続くアクセスのために、Access-Control-Allow-Headersレスポンスヘッダに"Content-Type"を設定しています。


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